Mac本体 トラブル対策 修理・トラブル対策

156 Macに飲み物をこぼしてしまった。

投稿日:

最近はテレワークとして自宅で仕事する方も増えてきました。自宅での仕事はそれこそノートパソコン一つあればダイニングテーブルやソファに座ってだって出来てしまうのである意味自由な印象です。ただしその分、職場では遭わないようなアクシデントに見舞われるケースもあるような気がします。
今日はそんな中ノート型のパソコンを使用している方にとっては誰にでも起こり得るアクシデント、液体こぼしについて修理事例をご紹介したいと思います。

MacBookAirに飲み物をこぼしてしまった。

今回ご相談いただいた本体はMacBook Air (Retina, 13-inch, 2019)というモデル。購入してまだ一年も経っていないという事でメーカーの保証期間も残っていました。そのピカピカの本体に飲み物をコップ一杯まるまるとこぼしてしまったとの事。
急いでシャットダウンしてタオルで水気を拭き取ったのち、本体を逆さまにしたりドライヤーの送風を当てたりされたようですが『起動させてショートさせてしまうのが怖いので・・』という事で弊社にお送りいただきました。(これは賢明な判断だったと思います!)

検証開始


早速弊社にて検証開始です。コップ一杯丸ごとこぼしてしまったという事ですので、いくら水分を拭き取ったとはいえ内部にはかなりの量侵入してしまった事が予想されます。
早速分解して内部を確認したところ案の定メイン基板のロジックボードやトラックパッドの裏側など至る所に液体による腐食が確認できました(写真はトラックパッド裏側です)実際に液体をこぼしてから弊社に到着して分解するまでたった2日でしたが既にこのような腐食が起きています。

懸案事項

以前のラップトップ(ノートタイプ)のMacであれば、仮に液体の影響で本体が起動できなくなっても内蔵のHDDやSSDが無事であればデータだけは抜き出す事ができました。しかし2015年以降のMacbook、2016年以降のMacBookPro、2018年以降のMacBookAirについてはそれら記憶媒体がロジックボードに直に埋め込まれて一体化してしまっております。これは何を意味するか? そう!つまりはロジックボードが壊れて立ち上がらなくなる=データを失う危険性があるというという事なのです。なんと恐ろしい。。。

修復作業

今回はまだ購入して間もない本体だったということもありますがまだバックアップが取れていませんでした。お客様としても何年か使ってきたならともかく、買ったばかりでまさか壊れるとは思いませんよね。この気持ちは凄くわかります。
まずはこの至る所で確認できた液体痕を入念に洗浄します。これは根気のいる作業ですが本体を復活させるためには絶対に必要です。
『なんだ簡単だ、腐食を取り除けば良いんでしょ?これなら自分にも出来るよ』と思われるかもしれませんが、それはちょっと待ってください。上の写真を見ていただくとわかる通り基板上は細かい精密回路が組み込まれています。腐食を取り除くつもりで誤って別の箇所のICチップやコンデンサが取れてしまいでもしたら更に自体を悪化させてしまう可能性もあるからです。

『何とか本体を起動できるようにしたい、そしてデータを助けたい!!』
その一心で時間をかけて丁寧に作業した結果・・・・・

見事!!起動させる事に成功しました。そして無事にログイン画面に到達!!
せっかく電源が入っても画面が真っ暗なままだったり、画面はついたが『?』マークが表示されてデータにアクセス出来なかったり、デスクトップまで表示されたが文字を打とうと思ったらキーボードが効かなかった。液体こぼしの場合はこのような二次的な不具合があとから発覚することが多いです。

そんな中今回は全て無事に動作する事が確認できたんです。良かった!!

まとめ

今回のケースで言うとお客様は本体が直るかという事だけでなくデータの安否についても非常に心配されていました。最悪の場合は購入したばかりの本体が壊れてしまうだけなく大切なデータまで失う恐れもあっただけに今回の結果には大変喜んでいただけました。そういう意味では不幸中の幸い、本当に良かったです。

Macがどれだけ新しく高性能になろうが液体こぼし対策は昔から変わらずコレというものはありません。近い将来『完全防水Mac』なるものが出てくるかもしれませんが2020年の今はやはり自分で注意するしかない。どうか皆さん飲み物を飲みながらMacを使う際はなるべく本体のそばに置かないなどして気をつけるようにしてください。

最後に、万が一こぼしてしまった方のためにこちらの記事をご紹介しておきます。
宜しかったらご参照ください。

Macに飲み物をこぼしてしまったら!

-Mac本体, トラブル対策, 修理・トラブル対策
-