“格安SIM”という言葉はCMにも頻繁に登場するなど、一般的な言葉として世間に定着しています。高くなりがちな携帯料金を「少しでも安くしたい」という思いで調べてみても、種類がたくさんあってどれを選んでいいのかわからなかったり、 自分のiPhoneでも使えるのか不安だったりするかもしれません。
この記事では、2020年、iPhoneにおすすめできる「格安SIM」を比較しながらご紹介します。格安SIMを比較する上でまず知っておきたい知識をおさらいした後、実際に比較していきます。すぐに比較部分を見たい方は、以下の記事内リンクをどうぞ。
【目次】
- ∨格安SIMってそもそも…?
- ∨MVNOって何?
- ∨格安SIMのメリット
- ∨格安SIMのデメリット
- ∨①音声通話付きSIM?データSIM?
- ∨②機種変更はする?そのまま使う?
- ∨③月々の通信容量は?通話時間は?
- ∨④付加サービスは?
- ∨IIJmio
- ∨mineo
- ∨BIGLOBE mobile
- ∨UQ mobile
格安SIMの基礎知識
簡単に「格安SIM」とはどういったものなのか、おさらいしてみましょう。
格安SIMってそもそも…?
意外と定義が曖昧な「格安SIM」という言葉。そもそも、SIMカードとは、携帯電話・通信の契約情報を記録したカードのことです。携帯電話の番号、契約している会社などの情報が保存されています。
大手通信キャリアで契約を行ってもSIMカードは発行されるのですが、au・docomo・SoftBankの3大キャリアの料金は、どこの会社もだいたい同じような値段設定になっており、全体的に高くなっています。
それに対し、大手キャリアの回線を借りることで、低価格に提供している会社が多くあります。その会社のSIMカードが「格安SIM」と呼ばれるSIMカードなのです。大手キャリアの回線を借りて運営しているため、利用可能なエリアは変わりませんが、速度や品質などで、大手キャリアより劣ってしまう可能性があります。
MVNOって何?
難しい英語の略称のように見えますが、格安SIMを提供している事業者の総称です。大手キャリアの回線を借りて通信事業を行う会社を指します。
格安SIMのメリットとデメリット
そんな格安SIMには、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。それぞれ簡単にまとめてみました。
格安SIMのメリット
まずはメリットからご紹介します。大手キャリアに比べて、契約・料金面でのメリットが強いと言えます。
①月額の料金が安い
大手のキャリアより、半額以上安くなるケースもあります。プランが豊富で、ポイントの還元率も高いため、自分の携帯の使用状況に合わせて、適切なプランを選択することができます。
②携帯番号、回線はそのまま使える
MNP(番号ポータビリティ)という、携帯会社を変えても携帯番号(090、080、070などで始まる番号)をそのまま使うことができる仕組みがありますので、格安SIMに変えたからと言って携帯番号が変わることはありません。格安SIMも大手三社の回線をそのまま使っているので、大きく品質が落ちたり、通信できるエリアが変わってしまったりすることもありません。
③“契約縛り”が少ない
格安SIMの会社やプランにもよりますが、多くのプランがいわゆる「二年縛り」がなく、最低1年程度使うだけで契約が解除できたり、違約金がかからないなど、自由な利用ができるというメリットもあります。
格安SIMのデメリット
次に、デメリットもご紹介します。
①実店舗販売が少ない
格安SIMの会社の多くが、インターネット上の公式サイト経由で販売を行っているため、大手三社のようにお店で初期設定・サポートなどを行ってもらうのが難しくなってしまいます。
格安SIMでも、一部の会社は実店舗での販売・サポートを行っていますが、基本は電話・メールによるサポートだということを意識しておく必要があるでしょう。
②通信キャリアのメールが使えない
先ほど電話番号をそのまま使うことができるMNPというものがあるとお伝えしましたが、残念ながら通信キャリアの「メールアドレス」は移行できません。
具体的にいうと、例えば今までドコモをお使いであれば「〜@docomo.ne.jp」、auをお使いであれば「〜@ezweb.ne.jp」、SoftBankをお使いであれば「〜@softbank.ne.jp」というメールアドレスをお持ちだと思いますが、そういったアドレスの使用ができなくなってしまいます。
ちなみに、Gmail(〜@gmail.com)やYahoo!メール(〜@yahoo.co.jp)などのいわゆる「フリーメール」と呼ばれるアドレスであれば、大手キャリアでも格安SIMでも同じように使うことができます。
③利用できない機能がある
格安SIMを使用している場合、iPhoneの「インターネット共有」が使えなくなってしまう可能性があります。インターネット共有は「テザリング」とも呼ばれ、使用している方も多い機能だと思うので、注意が必要です。
具体的には、機能が使えるかどうかは、そのiPhoneの種類(どこの通信会社のモデルか)と、格安SIMの組み合わせで決まります。
「docomo系回線」の格安SIMの場合、AppleStoreで購入できる「SIMフリー版iPhone」か、「docomo版のiPhone」でテザリングが使用できます。
「au系回線」の格安SIMの場合、どのiPhoneでも、テザリングが使用できません。(※後ほどご紹介するUQ mobileのみ可)
また、一部アプリの機能が制限される可能性もあります。例えばLINEでは、「ID検索」のための年齢認証を行うことができません。
④速度品質にばらつきがある
格安SIM事業者は大手キャリアの回線を使ってサービスを提供しているため、格安SIMの回線速度は、大手キャリアの回線にアクセスの集中するお昼頃や夕方頃に、速度が遅くなってしまうことがあります。
iPhone向け格安SIMを選ぶ基準
格安SIMのメリット・デメリットを確認したところで、次に、比較し切れないほどの会社がある格安SIMを、どのように選んでいくべきか、基準となるポイントをご紹介します。
今回は特に、iPhoneにぴったりの格安SIMの選び方について、まとめました。
①音声通話付きSIM?データSIM?
格安SIMは大きく2種類に分けられます。一つは大手キャリアと同じように、インターネットのアクセス、通話ともに行える「音声通話付きSIM」。もう一つはインターネットアクセスしか行えない「データSIM」。音声通話ができない分、値段も安く設定されています。
LINEやSkypeなど、無料通話アプリ以外で電話する機会がまったくない、という方は「データSIM」を使い、無料通話アプリを上手に使うという手もあります。
②機種変更はする?そのまま使う?
格安SIM会社に乗り換えするとき、一般的には「今使っているスマホのまま」ということが多いと思います。しかし、もし今お使いのiPhoneの調子が悪い場合など、会社の変更と同時に機種変更を検討されている方もいるかもしれません。
機種変更する場合は、乗り換え先の格安SIM会社が「端末」をセットで販売しているかを確認しましょう。もし売っていない場合は「SIMフリー版」のスマートフォン・iPhoneを別に用意する必要があります。
スマホをそのまま使う場合は、今使っているスマホがどこの通信会社のモデルか、確かめましょう。同じ回線を使っている方が、より速く、より確実に使うことができます。通信速度だけではなく、先ほどあったように「インターネット共有(テザリング)」が使えるかどうかにも関わってくるので、気をつけましょう。
③月々の通信容量は?通話時間は?
単純にスマホを月に「どれくらい使うか」ということです。
通信容量は、月間1GB程度の小容量プラン、大体3GB〜5GB程度の標準プラン、それ以上の大容量プランに大きく分かれます。大手キャリアよりも細かく値段が設定されていますので、より自分の使い方にあったプランを選びましょう。
通話時間についても、同じことが言えます。指定時間内であれば「かけ放題」になるプランもあります。もしかけ放題ではないプランで通話をする場合、下手をすると大手キャリアより高い通話料になってしまう可能性があるので、注意しましょう。
④付加サービスは?
大手キャリアに比べ、特色のあるサービスが提供されている場合も多いので、確認してみましょう。特定のサービスと連携されていたり、ポイントが貯まったりするなど、より便利に・お得に使うことができます。
例えば、LINEモバイルではLINEに関わる通信が使い放題になったり、楽天モバイルでは買い物でも使える楽天スーパーポイントがたまったりします。
iPhoneのための格安SIM 〜厳選4社紹介〜
ここから、iPhoneに相性の良い4社を厳選して紹介していきます。
IIJmio
IIJ(インターネットイニシアチブ)は、格安SIMの事業者の中でもかなり古くからサービスを提供しており、抜群の安定感と品質の高さが特徴です。
通信容量・通話量のどちらも柔軟にプランを選ぶことができ、容量の翌日繰越ができたり、一つの契約で複数のSIMカードを使うことができたりするなど、多彩な機能を搭載しています。
最新のiPhone・iOSが発表されるたびに、非常に早いタイミングで検証結果をブログに公表しており、圧倒的なスピード感を持って最新端末に対応してくれるというのも、IIJmioにしかない魅力でしょう。
mineo
CMでも有名になった、オブテージという会社が提供する格安SIMです。mineoの特徴は、なんと言っても3つの通信会社全ての回線から、使いたい回線を選べるということです。
docomo回線を使った格安SIMが多い中、3つのキャリア回線から自分の端末にあったものを選べるというのは、他の会社にはない魅力でしょう。
また家族割、パケットシェアなど、家族で一緒に利用するとお得になるサービスも提供されています。家族みんなで変更する、というのもいいかもしれません。
BIGLOBE mobile
こちらも格安SIMの中でかなり有名なブランドの一つです。自宅の固定回線などを提供する「インターネットプロバイダ」として有名な「ビッグローブ」が提供しています。
2019年オリコン顧客満足度ランキングの格安スマホ部門で総合1位に選ばれ、今最も評価されている格安SIMと言えるでしょう。
また、端末もセットで取り扱っているのですが、iPhoneもそのラインナップの中に入っており、iPhoneとの相性も折り紙付きです。
UQ mobile
UQ mobileは、ポータブルWi-Fiで有名な「WiMAX」などを扱うUQコミュニケーションズが提供しています。実はUQコミュニケーションズはKDDI系列の会社で、auのサブブランドという立場を取っています。au系の回線を使う格安SIMの中でかなり高い品質を誇り、速度は格安SIMの中でも最速、と言われています。
もともとau版のiPhoneを使っている場合、格安SIMでは基本的にはテザリングは使用できませんが、UQ mobileでは例外として使用することができるなど、au端末との相性がいいのが特徴です。
またUQ mobileも、端末販売のなかでiPhoneを販売しているため、iPhoneとの相性も確実です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。非常に多くの格安SIMがある中で、自分の使用状況やiPhoneの種類に合ったサービスを見つけるのは非常に大変ですが、機能やサービスも含め比較・検討し、あなたに合ったサービスを見つけましょう。